角膜提供者による天然角膜や人口角膜を患者に移植する手術

角膜移植とは??

角膜移植とは??

円錐角膜が重症化しますと、最終的に『角膜移植手術』となります。

死亡なさった方(天然角膜)・人の手で作られた(人口角膜)角膜提供者の角膜を患者の角膜と取りかえる手術
取りかえる場合もあるが、貼り付ける場合もある。
ここでは角膜移植手術はリスクが少ない順に4通りご紹介いたします。

角膜提供者の角膜を患者の角膜の上にのせる手術

角膜提供者の角膜を患者の角膜の上にのせるという手術もあります。角膜上皮層になんらかの機能障害があったり、それが原因で視覚障害が起こるときに求めらる手術のことです。それは角膜表面の包皮細胞が作り出されなかったり、熱傷やアルコール薬症によって幹細胞が消失してしまったときに、角膜提供者の角膜を患者の角膜にのせる(縫合する)手術を行い角膜上皮細胞を復元することができます。この手術は輪部移植や幹細胞移植などという風に呼ばれることもあります。

表層角膜移植手術

表層角膜移植手術も深層膜移植手術も角膜パーツ移植という括りにすることができます。
表層角膜移植手術は、ある特定の層までを切り取って移植する手術のことです。
角膜は詳しく解説すると、もっとも最上部にある角膜上皮を頂点として、ボーマン膜、角膜実質、デュア層、デスメ膜、角膜内皮で構成されています。
表層角膜移植手術は主に角膜上皮、角膜実質の一部までを取り除くことが多く、全層角膜手術よりは選ばれることの少ない手術ですが、術後の早期の回復などメリットもあるので、一定のニーズはあります。また最近では移植手術にレーザーが使われるようになったことで、より高度な切除や切開からの回復が行うことができるようになりました。術後のトラブルのリスクが高いといわれている全層角膜移植手術に変わる手術となることも注目されています。

深層膜移植手術

深層角膜移植手術をする意義というのは、全層角膜手術では得ることのできない術後の視力の保持を期待するものです。
具体的に表層角膜移植手術と全層角膜移植手術との違いは、表層角膜手術よりも深い階層まで角膜を取り除き、全層角膜移植手術のように角膜内皮は取り除くことはせず、その一歩手前のデスメ膜を残して移植する手術のことです。
全層角膜手術よりも難しい手術といわれており、高度な技術が必要です。特に深層膜移植手術はにデスメ膜に傷をつけないまま、角膜を切除することは非常に難しいとされており、技術的なリスクのある方法です。

全層角膜移植手術

膜移植手術の中で選ばれている手術です。また角膜移植手術の中でももっとも安全な手術方法の一つです。

全層というのは、角膜は主に3層に分かれており、上から上皮、実質、内皮というようにいくつかの層にわかれています。角膜移植手術によっては、これらのどれかを移植するのだけのものもありますが、この3層(全層)すべてを移植するのが全層角膜移植手術です。上皮、実質、内皮の角膜をすべて取り除き、そこにドナーから提供された角膜を置き換えて縫合します。成功率は高く90%以上の成功率を誇っています。

数ある角膜移植手術の中でも歴史も古く、もっとも手堅い手術のあり方だということができるでしょう。ただしデメリットとして視力の低下しやすいことと術後、拒絶反応が起こる可能性があることが挙げられます。
術後、主に20から30%の割合で拒絶反応が起こるといわれています。

角膜水腫を一回患った場合、全層角膜移植手術しかできません。

角膜水腫とは??

円錐角膜の進行により、黒目が白く濁る症状
※私は円錐角膜用HCLのカーブがきつかったことにより角膜水腫となりました・・・涙

角膜水腫 説明詳細

角膜水腫は急性水腫と呼ばれることもあり、円錐角膜の進行によって角膜の内側のデスメ膜が破裂して、水晶体の中に房水が入り込んでしまう状態のことです。円錐角膜に罹患することによって、角膜が変形すると角膜自体の厚みが弱くなり、外部からの刺激に対して脆くなる傾向があります。瞳の中に白く濁った混濁が現れて、目は外観からも濁ったような水腫、小さな濁りや曇りが確認され、患者自身も視界のくもりや痛みを感じるようになります。
一度破れたデスメ膜は、数週間かけて自然に元に戻ることも可能です。しかし一度でも角膜水腫になった円錐角膜に対しては全角膜移植手術でなければ対応できないといわれています。