黒目が前に飛び出し、見るものが何重にも見える疾病(難病)

円錐角膜とは??

円錐角膜とは??

簡単に言いますと・・・

円錐角膜
『黒目が前に飛び出てきて(徐々に進行)見るものが何重にも見える目の特定疾病(難病)』 簡単な病気ではない

円錐角膜とは、眼球の表面にある角膜に関する病気です。
非炎症性変性疾患で特徴的なのは角膜が薄くなり、ドーム状から円錐状に突出してしまいます。

円錐角膜の主な症状としては、視力の低下が挙げられます。
角膜の変形により、モノが二重に見えたり、ゆがんで見えるなどの症状が現れます。また角膜の形状が変形することによって乱視なども起こります。見え方にゆがみが生じることもあります。

また進行速度には、個人差があり長い年月をかけて進行する場合と、短期間のうちに中度から重度の円錐角膜に発展してしまうこともあります。

少々深い説明になりますと・・・

左図:健常者の見え方、右図:軽度の円錐角膜患者の見え方
眼球の角膜に起こる非炎症性変性疾患であり、角膜が薄くなることにより中央が突出してくるため、乱視がひどくなる。
そのため見るもの、少しの光でもとてもまぶしく映る。

円錐角膜は視力が低下する病気で、ハードコンタクトレンズでなければ視力を矯正させにくいという特徴があります。ただ円錐角膜は通常の角膜の形状から突出したいびつな形に変形してしまっているためハードコンタクトレンズの装着も困難になってしまうケースもあります。特にハードコンタクトレンズに対して強い異物感を感じたり、装着に痛みを感じてしまうこともあるのが難点です。

目の構造
また円錐角膜の進行で注意しなければならないポイントとして、角膜水腫の発症が挙げられます。角膜水腫は、角膜の一番内皮の上にあるデスメ膜が破れることにより、房水が水晶体の中に浸潤してきて水腫が発生してしまうことをさします。 これは外観からも確認でき、また視界が曇るなどの症状が現れることがあります。これは角膜移植手術のときに大きな影響を与えるものです。

発症に関して

発症時期

円錐角膜の発症時期に関しては、個人差がありますが、比較的思春期や10代から20代などの若い時期にかけて頻繁に発症する例が多いのではないかといわれています。この場合、進行速度は比較的早いものとされています。
また思春期や第二次性徴の時期だけでなく30代から40代以降に、円錐角膜に罹患する例も一定数あります。

思春期の発症が多く、20代から30代に最も重症化する。
1000人に1人の発症率

原因不明

→アレルギー性結膜炎などのアレルギーに因果関係があるようだが定かではない。

円錐角膜は、発症例が多く確認されていますが、その原因や全容については、まだ未解明な部分が多く、諸説あることを押さえておく必要があります。
最近の有力な原因説として言われているのが遺伝性です。また思春期や第二次性徴に合わせて発症することが多いので、性ホルモンの変化が原因ではないかといわれています。また目をこするなどの外的な刺激も発症原因の一つである可能性が高いです。

目の定期検査が大切。特に12歳ぐらいのお子様にアレルギー症状がありましたら目の検査に行ってください!!
アレルギー症状がなくても定期的に検査に行ってください!!早期発見で進行を止めれることもあります!!

矯正手段は

ハードコンタクトレンズ(HCL)のみ

円錐角膜は、眼鏡やソフトコンタクトレンズでの矯正はできません。
・円錐角膜の黒目の突出部分にレンズが乗るので、目に異物感・疲労感
また、目に傷がつくと激痛でHCLをつけられない。眼鏡も使えない。見えない。イライラ。絶望感も・・・
・病状が進行するにつれて、仕事や運転免許取得・更新に支障をきたす
・光を避けるため、陰湿になる可能性が大。将来を考えてしまうので、最悪の場合はうつ病を起こす可能性も大。

ハードコンタクトレンズの知識

円錐角膜にはハードコンタクトレンズの重要性が非常に高いといわれています。
特に円錐角膜用のハードコンタクトレンズにいくつかの種類があり、その使用方法にも注意が必要です。医師の診察を受け、その指示に従って装着することが求められます。円錐角膜用のHCLは中心部のカーブと周辺部のカーブの形状が異なったり、ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズを併用するピギーバック法などの手法があります。

円錐角膜の治療には、ハードコンタクトレンズの他に、角膜クロスリンキングと呼ばれる角膜の繊維を強く結ぶ方法や、半円弧状のリングを装着して角膜の形状を矯正する角膜リングなどさまざまな方法が登場するようになりました。

ただ円錐角膜が進行して、重篤な状態に陥ると角膜移植でしか治療ができません。
この角膜移植にもいくつかの方法があり、もっともポピュラーなのは、角膜の全層を取り除いて移植する全層角膜移植手術、また深層角膜移植手術や表層角膜移植手術のように、角膜の部分的な層を取り除いて移植するという角膜パーツ移植手術があります。

『家族への理解』が一番です

一番の負担は『周りの理解』

→思春期という不安定な感情をもつ時期、一概には言えないが、どの病気も患わないと分からない。
思春期は特に自分が何なのか分からないなか、人の病気までは考えにくく、病気を公表したら人間関係がうまくいかない部分も出てくる。選びたくないが、本当に信用できる友達にしか言わない方がいいと思う。

→このサイトから理解を得て、心まで病気にならないことを願っています。
参考までに、私が円錐角膜について書いた電子書籍も出版してます。円錐角膜患者の人生を描いておりますので、ご家族の方々に読んでいただければと思っております。

円錐角膜は、外見上わかりにくい疾患の一つです。そのため周囲に理解されにくい場合があります。本人としても行動や意識を狭めてしまう可能性があり、光をまぶしく感じてしまうために、よく晴れた日でも外に出ることに重圧を感じてしまったり、、人と会う機会が減ったり、家で過ごす時間が増えたりします。
周囲や家族が円錐角膜という病気がどういう病気で、罹患者がどういった不便や苦悩を抱えているかを察することで、患者本人や周囲の人間の病気に対する向かい方を決めることが重要です。